福井研修
みなさま、初めまして。
9月よりディグラフトに入社した成毛と申します。
今年も先輩方と同じく、「商品を知らなければお客様にご紹介はできない」ということで、関連会社であるカワイ株式会社にお邪魔いたしました。

はじめに、歴史を感じる素敵な建物内に設けられたショールームを見学させていただきました。
ここでは若狭塗やカワイ株式会社に関する知識に加え、商品パッケージのナンバリング効果や商品名の誕生秘話など、ここでしか聞けない貴重なお話を伺うことができ、大変興味深い時間となりました。
-1024x893.jpg)

その後、工場にて複数の作業を見学・体験させていただきました。
箸工場と聞くと年季の入った作業場で熟練の職人が黙々と作業しているような光景を想像される方も多いと思われますが、カワイの工場は全ての作業場が綺麗で設備も新しく、若い職人さんが多く在籍していた点が非常に印象的でした。

数多くある工程の中で、特に印象に残っているのは「引き抜き」という作業です。
これは塗料が入ったタンクの横に、中心部分に穴を空けたゴム板が設置されており、そこに箸木地を差し込んで引き抜くことで、色やコーティングが施される加工方法です。
作業は左手で箸を差し込み、右手で引き抜くという流れで進みますが、タイミングがずれると、塗料がタンク外へ流れ出てしまいます。慎重に行う必要がある一方で、手早さも求められるため、そのバランスを取るのが難しい作業でした。
また、塗料をムラなく付けるために箸木地を平行に差し引く必要があるのですが、わずかな手の動きや姿勢の違いで引き抜く方向がずれてしまい、想像以上に繊細で集中力を要する工程だと感じました。
その他、漆のすりこみや絵付けなどを見学しましたが、どれも機械と疑うほどの速さで作業をされていて、職人技を身をもって体感いたしました。


パッケージや梱包、出荷業務まで体験させていただき、多様な工程を経て1本の箸がお客様のもとに届いているということに改めて感銘を受けました。短い期間ではありましたが、ものづくりの奥深さや職人の技術・品質へのこだわりに触れ、この経験を糧にこれからも成長を重ねていきたいと思います。